総合学科の特色

多様なカリキュラム

総合学科高校は、高等学校の必履修科目に加えて、普通教育科目と専門教育科目から生徒が選択して学ぶ学科です。

「産業社会と人間」及び専門教育に関する各教科・科目を合わせて25単位以上開設しています。

産業社会と人間

総合学科では原則履修科目として「産業社会と人間」という授業を設置しています。(学校ごとに異なる名称で設置している場合もあります。)

自己の個性を発見したり、将来の生き方や進路を考える学習を進めています。

課題研究

総合学科高校では、設置当初から「課題研究」に取り組んでいます。生徒が興味・関心、進路等に応じて設定した課題について、知識や技能の深化、総合化を図る学習活動を取り入れています。

概要・背景

学校数・生徒数

文部科学省の学校基本調査によると、令和2年度現在、総合学科高校の校数と生徒数は以下の通りです。

高等学校(全日制・定時制)の学科別学校数及び生徒数(本科)
学校数 381 生徒数168,191

推移については、こちらをご覧ください。

総合学科の概要

総合学科は、普通科及び専門学科と並ぶ新しい学科です。

・必履修科目に加え、幅広い選択科目の中から自分で科目を選択し学ぶことが特長です。
・将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めさせる学習を重視しています。

(1)「産業社会と人間」(原則履修科目)という授業があります
 自己の個性を発見したり、将来の生き方や進路を考える学習を進めます。
  (※異なる名称で設置している高校もあります)

(2)単位制です(※原則としています)
 生徒が主体的に科目選択ができるよう、学年による教育課程の区分を設けていません。
    
(3)多様な教科・科目から主体的に選択履修できます
 「産業社会と人間」及び専門教育に関する各教科・科目を合わせて25単位以上開設しています。
 生徒が普通教育及び専門教育に関する多様な各教科・科目から主体的に選択履修できるようにしています。

(4)課題の設定・研究
 「総合的な学習の時間」において、生徒が興味・関心、進路等に応じて設定した課題について、知識や技能の深化、総合化を図る学習活動を取り入れています。

総合学科設置の背景

・学校歴優先意識や偏差値偏重の受験戦争
・高校教育≒大学進学準備という状況
 ↓
 普通科では画一的に進学を意識するため生徒の多様な能力・適性に十分対応できず、職業科では就職する者を主体とした教育が行われているため進学希望者への対応が不十分である
 ↓
 ア 量的拡大から質的充実へ
 イ 形式的平等から実質的平等へ
 ウ 偏差値偏重から個性尊重・人間性重視へ
 
 →それまでの普通科と専門学科の2学科の区分を見直し、生徒の学習の選択幅を拡大することができるよう、普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科を設置すべきとした。

 【参考】平成3年4月、第14期中央教育審議会答申「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」より

総合学科設置の経緯

平成3年4月19日 第14期中央教育審議会答申
「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」
平成3年6月 高等学校教育の改革の推進に関する会議 第一次報告
総合学科という名称、意義を報告
平成5年2月 高等学校教育の改革の推進に関する会議 第四次報告
総合学科の具体像を報告
平成5年3月10日 高等学校設置基準 一部改正
『普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科』=総合学科(第5条第3項)
平成6年4月 総合学科が開設
全国で7校の総合学科が開設
現在
全国で360校の総合学科高校が総合学科教育を展開

 総合学科を正しく知るために

 (1)「総合学習」を中心に学ぶ学科ではありません。
 高等学校の必履修科目に加えて、普通教育科目と専門教育科目から生徒が選択して学ぶ学科です。なお、専門教育科目を多数置いていることと「産業社会と人間」を原則履修としていることが、単位制普通科高校との大きな違いです。

 (2)学校名にご注意
 ○○総合高校という校名の高校がすべて総合学科というわけではありません。単位制の普通科高校も「総合」を校名に入れている場合があります。もちろん逆に、総合学科高校がすべて「総合」を校名に入れているわけでもありません。